女性が感じる右脇腹背中側の痛みの原因と対処法を徹底解説—内臓疾患から筋肉の問題まで

こんにちは。
とまり木です。

右わき腹や背中に突然チクッとした強い痛みが走ると、「もしかして大きな病気？」と不安になりますよね。女性の体は生理周期や妊娠、ホルモンの変化などでコンディションが変わりやすく、この部分にズキズキした痛みや重いだるさが出やすいといわれています。原因は筋肉のこりだけでなく、胆のうや腎臓など内臓のトラブルが隠れていることもあり、右側だけでなく左側の痛みもしっかり確かめることが大切です。「何科に行けばいいの？」「病院へ行くタイミングが分からない」と迷う方も少なくありません。この記事では考えられる原因、家でできるケア、受診の目安をわかりやすくまとめました。読んでいただくことで、次に取るべき行動が見えてくるはずです。どうぞ最後までお付き合いください。

痛みの種類ごとに考えられる疾患メカニズムを把握できる
自宅で実践しやすいセルフケア手順を理解できる
受診すべきタイミングと適切な診療科目を判断できる
公的機関情報を活用し不安を軽減する方法を学べる

女性に特有？右脇腹背中側痛みの原因とは

ズキズキ痛む！右脇腹背中側痛みの原因と対策
右脇腹背中側に鈍痛が続く理由
背中の右下のズキズキした痛みの注意点
女性は要注意！左脇腹に現れる背中側の痛み
背中の痛みが右側に現れた場合に疑うべき疾患とは？
右肩甲骨下の背中が痛い場合の簡単セルフケア
右または左にも！背中に寝違えたような痛みが出る原因
背中の痛みと右側肩甲骨は連動しているのか？

ズキズキ痛む！右脇腹背中側痛みの原因と対策

右脇腹背中側で突然ズキズキと鋭い痛みが発生した場合、真っ先に考えられるのは胆石発作や腎結石など結石関連疾患です。胆石はコレステロールやビリルビンが固まって生じ、脂質の多い食事後に痛みが増す傾向があります。日本消化器病学会の統計によると、胆石保有率は女性で約10％に達し、40代以降で顕著に増加すると報告されています（参照：日本消化器病学会）。一方、腎結石・尿管結石はカルシウムやシュウ酸が結晶化して形成され、厚生労働省のデータでは女性の発症率が年々上昇し、30〜50代でピークを迎えると示されています（参照：厚生労働省）。

これらの結石では早朝や夜間に痛みが悪化しやすく、背中側へ放散することが特徴です。帯状疱疹の初期症状でも右脇腹に針で刺すような痛みが現れますが、皮膚症状が出るまで数日かかるため、痛みだけの段階では鑑別が難しいとされています。

痛みが強いときに右肩や右肩甲骨周辺へ放散する場合は、胆のうの収縮痛である可能性が高いと指摘されています。

具体的なセルフケアの流れ

まず食事内容を振り返ることが重要です。脂質の摂取量が多かった場合は、消化負担を軽減するために低脂肪・高繊維食へ切り替え、胃腸の動きを整えてください。また水分を1日あたり体重1kgにつき30〜35mLを目安に摂取すると、尿量を増やして結石排出を促す効果が期待できます。ただし、激痛・悪心・発熱・嘔吐を伴う場合は救急外来の受診が推奨されます。救急隊の統計によれば、胆石発作は発症後6時間以内の治療開始で合併症が大幅に減少すると報告されています。

胆石の再発予防には体重管理が欠かせません。急激なダイエットは胆汁うっ滞を招き石が増えるリスクがあるため、1カ月に体重の5％以上の減量は避け、適度な有酸素運動を週150分程度行うことが推奨されています。腎結石では、カルシウム不足がかえってシュウ酸吸収を高めるため、乳製品から適量のカルシウムを摂取する方が有利とされています。米国泌尿器科学会のガイドラインでも、極端なカルシウム制限は再発率を上げると指摘されています（参照：AUA）。

結論として、右脇腹背中側にズキズキする痛みが発生したら、脂質制限・十分な水分・痛みが強ければ速やかな医療機関受診の三本柱で対応することが安全策となります。

右脇腹背中側に鈍痛が続く理由

右脇腹背中側の鈍痛が数日～数週間にわたり持続する場合、胆のうや肝臓、腎臓など複数の内臓で慢性的な炎症や機能低下が進行している恐れがあります。国立国際医療研究センターの調査では、非アルコール性脂肪肝炎（NASH）の患者の約30％が背中の鈍い痛みを自覚していたと報告されました（参照：国立国際医療研究センター）。脂肪肝はBMI25以上でリスクが高まり、女性は更年期以降に発症率が上昇すると指摘されています。

胆のう炎は、胆石の慢性的な刺激によって胆のう壁が厚くなり、胆汁の流れが妨げられることで炎症が持続します。厚生労働省の統計によれば、慢性胆のう炎の有病率は男性より女性で高く、閉経後のエストロゲン低下が要因と考えられています。症状としては背中の重だるさやみぞおちの圧痛がみられる一方、発熱を伴わない場合も多いため受診が遅れやすい点が問題です。

前述の通り、痛みが軽度でも長期間続く場合は必ず医師の診察を受け、超音波検査や血液検査で肝胆道系の評価を行いましょう。

セルフケアと生活習慣の具体策

脂肪肝や慢性胆のう炎の進行を抑えるためには、アルコール摂取を週140g以下に抑える、飽和脂肪酸を植物性油に置き換える、食物繊維を1日20g以上摂取するなどの食事改善が有効とされています。さらに1回20分の中強度ウォーキングを週5回行うと、肝臓内の中性脂肪が減少し、ALT・γ-GTP値が改善したという報告があります（参照：~~日本肝臓学会誌~~）。

ただし、急速な減量は脂肪肝を悪化させるリスクがあるため、体重は月に最大2kg程度のペースで減らしましょう。補助的な方法として、EPA・DHAサプリメントは肝臓内の炎症マーカーを抑制するとのエビデンスがありますが、使用する場合は医師や薬剤師に相談することが望ましいです。

まとめると、鈍痛が続くときは専門医で画像診断と血液検査を受けることが大前提です。その上で、食事・運動・休養のバランスを整えることで症状の緩和と再発予防につなげられます。

背中の右下のズキズキした痛みの注意点

背中右下に波打つようなズキズキが現れる場合、まず疑われるのは腎臓や尿管のトラブルです。腎臓は腰椎の両側に位置し、尿の生成と老廃物の排泄を担う臓器であり、尿管は腎臓と膀胱を結ぶ管状構造です。厚生労働省が2024年に公表した患者調査では、女性の尿路結石受療率が過去10年で約1.4倍に増加したと示されています（参照：厚生労働省）。尿路結石はカルシウム結石が80％を占め、特にカルシウム摂取量が慢性的に不足している人や、水分摂取量が少ない人で形成されやすいと指摘されています。

腎臓痛は体位変換で和らぎにくいのが筋肉痛との大きな違いです。また、背中の痛みに加えて排尿痛・血尿・38℃以上の発熱がある場合は、腎盂腎炎を含む感染症が進行している恐れがあります。国際腎臓学会は「発熱を伴う腰背部痛は24時間以内の抗菌薬投与が推奨される」と明記し、早期治療が腎機能維持に重要と説いています（参照：ISN）。

症状	考えられる疾患	セルフチェックのポイント
鋭い疝痛が周期的に来る	尿管結石	姿勢を変えても痛みが持続
鈍い持続痛＋発熱	腎盂腎炎	背中を叩くと響くような痛み
食後の右背部痛	胆石	脂質の多い食事で悪化

水分摂取目安としては、体重1kgあたり30mLの水を均等に摂ることがポイントです。例えば体重60kgの人なら1.8Lが一日の目安となります。腎結石予防には、柑橘類に多いクエン酸が尿中の結石生成を抑えると報告されており、レモン水やグレープフルーツの摂取が推奨されています。ただし、薬物療法中の方は薬剤との相互作用を医師に確認してください。

背中の右下の痛みが運動中に急に消失した場合でも、結石が膀胱へ移動しただけのことがあるため、早期に画像検査を受けると安心です。

まとめると、背中右下のズキズキ痛は腎臓・尿管由来であるケースが多く、血尿・発熱・排尿痛などの付随症状に注意しながら、十分な水分補給と早期受診を心掛けることが大切です。

女性は要注意！左脇腹に現れる背中側の痛み

左脇腹背中側の痛みは、膵臓と婦人科系臓器が関与することが多く、見逃しが許されない病態です。膵臓はみぞおちの奥に位置し、消化酵素とインスリンを分泌します。急性膵炎は厚生労働省の研究班による全国調査で、男女比が1.8：1と男性優位ながら、女性でもアルコール摂取量増加に伴い発症が増えています（参照：厚労科研報告書）。膵炎の痛みは背中へ向かって放散し、前屈姿勢で和らぐのが特徴です。

婦人科領域では子宮内膜症が代表的です。日本産科婦人科学会のデータによれば、20〜40代女性の約10％が罹患すると推計され、骨盤内炎症が坐骨神経を刺激し背部痛を引き起こすケースもあります。加えて卵巣嚢腫が破裂または捻転した場合、左下腹部から背中側に激痛が走り、緊急手術が必要となることがあります。

産婦人科医「月経時に背中がズキンと痛む方は、内膜症の可能性もあるため婦人科での評価をおすすめします」

判断のポイントとセルフケア

膵炎の判断ポイントは上腹部〜背中中央の持続痛＋嘔吐・血清アミラーゼ上昇です。膵炎が疑われた場合は絶食と点滴が標準治療となるため、早急な病院搬送が必要になります。一方、子宮内膜症では月経痛が年々強くなる、鎮痛薬が効きにくい、という経過が典型的です。月経痛日誌をつけると医師の診断材料になります。

前述の通り、左背部痛が締め付けられるように強く出現した場合、膵臓由来の可能性があるため救急搬送を検討しましょう。

セルフケアとして膵臓負担を減らすには、アルコールを週100g以下に抑え、高脂肪食を避けることが推奨されています。婦人科領域では温罨法により骨盤内血流を改善し、痛みを緩和できるとの報告があります。

背中の痛みが右側に現れた場合に疑うべき疾患とは？

背中右側の痛みは、胆のう・肝臓・腎臓・十二指腸など多岐にわたる臓器からの警告です。胆石症は脂質摂取後30分〜2時間で痛みがピークに達し、黄疸や発熱を伴う胆嚢炎に進展することがあります。日本胆道学会は白胆汁が出た場合は早期手術が望ましいと指摘しています（参照：日本胆道学会）。

肝炎の場合、背中痛に加えて全身倦怠感、黄疸、右肩痛が特徴です。肝炎ウイルス検査でHBe抗原陽性の場合は、抗ウイルス薬開始が推奨され、ALT値500IU/L以上では入院加療が検討されます。十二指腸潰瘍は空腹時に痛み、背中右肩甲骨下に放散するのが典型的で、ヘリコバクターピロリ菌の除菌治療が効果的とされています。

痛みの部位	関与臓器	補助症状	推奨検査
右脇腹背中側	胆のう	食後悪心・発熱	腹部エコー
背中右下	腎臓	血尿・発熱	CT・尿検査
背中右肩甲骨下	十二指腸	空腹時痛	内視鏡

受診のタイミングとして、痛みが持続4時間以上、あるいは嘔吐・発熱を伴う場合は、休日夜間でも救急外来を利用してください。診療科の選択で迷うときは、救急科または内科を入口とし、その後専門科に紹介してもらう流れがスムーズです。

胆石は女性ホルモンの影響で女性に多い疾患ですが、胆嚢癌リスクも上昇するため、繰り返す背部痛は軽視できません。

要するに、背中右側の痛みは原因臓器が多彩であるため、痛みの部位・性質・随伴症状を細かく把握し、適切な検査へつなげることが早期治療の鍵です。

右肩甲骨下の背中が痛い場合の簡単セルフケア

右肩甲骨下がジンジンと重い、または動かすとピリッと痛む場合、多くは僧帽筋下部・前鋸筋・広背筋といった背部筋群の緊張が原因です。厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」によると、長時間のデスクワークでは肩甲骨周囲筋の酸素供給が30％以上低下し、筋硬結が形成されやすいとされています（参照：~~厚生労働省~~）。さらに日本整形外科学会は、肩甲骨の可動域が正常より10度以上制限されると、背部痛の発症リスクが2.8倍になると報告しています。

結論としては「肩甲骨の動きを取り戻し、血行を促進する」ことが核心的な対処法です。理由は、肩甲骨が肋骨に張り付くと筋膜滑走が悪化し、酸欠状態の筋細胞が痛み物質（ブラジキニン、ヒスタミンなど）を放出するためです。そこで自宅で簡単に行えるストレッチを下記に示します。

ストレッチ名	方法	回数/時間
タオルラットプル	タオルの両端を持ち、息を吐きながら頭上から鎖骨まで下ろす	10回×2セット
壁プッシュ	壁に手をつき、肩甲骨を寄せてからゆっくり離す	20回×1セット
四つん這いキャット＆ドッグ	背中を丸めた後、反らせて肩甲骨を動かす	15往復

これらを1日3分継続するだけでも、肩甲骨の可動域が約15％向上し、痛みスコア（VAS）が2週間で平均30％低下したという理学療法士の臨床報告があります（参照：日本理学療法士協会）。
セルフケアを行う際の注意点として、炎症が疑われる急性期（痛みが強く熱感がある）はアイシングで炎症を抑え、その後温罨法へ切り替える流れが推奨されます。筋肉痛と神経根症状の鑑別には「腕のしびれ」「握力低下」の有無が参考になり、該当する場合は整形外科で頸椎MRIを受けてください。

私は理学療法士ではありませんが、監修文献によると肩甲骨ストレッチは痛みがない可動範囲で行うことが安全なポイントです。

要約すると、肩甲骨下の背部痛は筋緊張性が主因であるケースが多く、①ストレッチ、②アイシング・温罨法、③姿勢改善の三段構えでセルフケアを進めると改善が期待できます。

右または左にも！背中に寝違えたような痛みが出る原因

背中寝違えたような痛み右あるいは左に発生する場合、第一に検討すべきは長時間の前かがみ姿勢と寝具環境です。東京大学の疫学研究によると、1日8時間以上PC作業を行う人は、背部筋の表面筋電図が休息時の2.5倍に上昇し、翌朝の筋痛を誘発しやすいと示されています。寝具に関しては、日本睡眠学会が公開した指針で、枕の高さが首の前弯角度（約30度）に合わない場合、頸椎から胸椎にかけて平均17％の余分な圧力が加わると報告されています。

問題点は「痛みが数日で自然軽快する」と楽観視し、原因を放置しがちなことです。筋緊張が慢性化すると頸胸移行部の神経根が圧迫され、肩から手指にかけてしびれが残存する危険があります。実際、整形外科外来の統計では、寝違えのような背部痛を繰り返して来院した患者の12％で頸椎椎間板ヘルニアが見つかったと報告されています。

具体的なセルフ対処法

モニター上端を目線と水平にし、椅子の背もたれを100〜110度に設定
枕の高さを、立位での後頭隆起から肩峰までの長さと同程度に調整
就寝前に背中全体へホットパックを10分、深部体温を0.5度上げて血流改善

さらにフォームローラーを用いて胸椎をゆっくり伸展させると、交感神経活動が抑制され睡眠の質が向上するという研究結果もあります。フォームローラーを肩甲骨の下に当て、両手を頭の後ろで組み、呼気で背中を反らせる方法が一般的です。
背中の寝違えが解消しない場合は、頸椎レントゲンやMRIで椎間関節炎を除外し、必要に応じて消炎鎮痛剤や理学療法を受けると回復期間を短縮できます。

前述の通り、痛みと同時に上肢のしびれや脱力が出た場合は、神経圧迫のサインであるため早めに整形外科を受診してください。

まとめると、背中の寝違え様痛は姿勢・寝具・温熱療法の3点に注意し、症状が長引く場合は医療機関で精査を受けることが推奨されます。

背中の痛みと右側肩甲骨は連動しているのか？

背中の痛み右側肩甲骨は連動しているのかという疑問は、多くの患者さんが整形外科や整体院で最初に抱くテーマです。結論から言えば「連動しているケースが多い」とされています。理由は大きく三つあります。第一に肩甲骨は肋骨の上を滑走する浮遊骨で、前鋸筋や菱形筋など8種類以上の筋肉で吊り下げられています。そのため肩甲骨周囲筋が硬直すると、胸椎〜腰椎にまで緊張が波及しやすい構造です。第二に筋膜連鎖の観点です。筋膜は全身をシームレスにつなぐ結合組織で、近年の研究では背中の筋膜が肩甲骨外縁を経て腰背筋膜に連結していると解剖学的に証明されました（参照：Fascia Research Society）。第三に運動連鎖モデルで、肩甲骨が外転・上方回旋しにくい状態では、胸椎伸展が抑制され、代償として腰椎前弯が強調されるため、腰背部の筋に過負荷がかかります。

具体例として、デスクワークが中心の30代女性のケースを考えましょう。モニターを覗き込む姿勢が続くと頭部が前方へ5cm移動し、その結果、僧帽筋上部の筋活動が通常の1.8倍に上昇します。さらに肩甲骨外転位が固定化されるため、菱形筋にストレッチストレスがかかり、筋膜が持続的に引き伸ばされます。これが背中右側の痛みとなり、同時に肩甲骨内側縁に鋭いコリ感を誘発するメカニズムです。
一方で右肩を集中的に使うスポーツ（テニスやバドミントン）では、肩甲骨が過度に内転・下方回旋することが多く、広背筋と大円筋が短縮して肩甲骨下角を外側へ引っ張ります。その結果、肋横突関節が後方へ突き出され、呼吸時に肋骨と胸椎の間で摩擦が起こり痛みが発生します。理学療法士による臨床研究では、テニス選手60名のうち42名（70％）が右背部痛と肩甲骨機能障害を併発していました（参照：日本理学療法士協会）。

肩甲骨の上下左右の動きが1方向でも10度以上制限されると、背部痛のリスクが約2.7倍に増加するというデータがあります。

評価方法：肩甲骨可動域セルフチェック

鏡の前に立ち、両腕を前方へ伸ばしてバンザイするように挙上してください。このとき腕が耳の横まで真っ直ぐ上がらず、肘が曲がる、腰を反らさないと挙がらない場合は、肩甲骨の上方回旋制限を疑います。また、腕を水平外転した際に肩甲骨内側縁が明瞭に浮き出る場合は肩甲骨内転不足が起こっているサインです。

セルフエクササイズ：筋膜リリース＆モビリティ

ペットボトルローリング
肩甲骨内側縁に500mLペットボトルを当て、体重をかけて上下に30秒転がす
スキャプラプッシュアップ
四つん這いで肩甲骨を寄せてから押し離す動きを20回
インクラインエンジェル
壁に背をつけた状態で肘を曲げ、肩甲骨を寄せながら腕を上下10回

これらの運動を1日2〜3セット継続すると、肩甲骨周囲の血流量が約1.4倍に増加し、背部痛の疼痛指数（NRS）が3週間で平均2ポイント低下したと報告されています。実際、筆者が参照した理学療法士のケーススタディでは、肩甲骨可動域が改善すると胸椎伸展が自然と向上し、腰背筋の過緊張が解けるため、右脇腹背中側の違和感も軽減するという好循環が確認されました。

前述の通り、運動中に痛みが悪化したり、肩にしびれが出た場合は運動を中止し、整形外科で頸椎・肩関節の精査を受けてください。

まとめとして、背中右側の痛みと肩甲骨は筋膜・運動連鎖・神経支配の3側面で密接に結び付いています。セルフチェックとモビリティエクササイズを組み合わせ、早期に肩甲骨機能を回復させることが痛みの長期化を防ぐカギといえるでしょう。

女性のための右脇腹背中側痛みで知っておきたい受診の目安

右脇腹背中側に現れる鈍痛は何科を受診すべきか
背中の右側が痛いのは、どの臓器が原因なのか
まとめ：女性のための右脇腹背中側の痛みを徹底解説！原因と対処法まで

右脇腹背中側に現れる鈍痛は何科を受診すべきか

右脇腹背中側鈍痛が続くとき、まず判断したいのは内臓性か筋骨格系かという点です。内臓性の場合、放散痛を伴いやすく痛みの位置がはっきりしないことが特徴で、食事や排尿など生活動作により強弱が変化しやすいと報告されています。一方、筋骨格系の鈍痛は体位変換やストレッチで変動しやすく、触診で圧痛点を同定できるケースが多いです。

受診科の選択フローとして日本内科学会は、①発熱・嘔吐・黄疸など全身症状がある場合は消化器内科または救急科へ、②排尿トラブルや血尿がある場合は腎臓内科または泌尿器科へ、③運動で増悪・安静で軽快する場合は整形外科が優先と提示しています（参照：日本内科学会）。さらに、総合内科（総合診療科）は原因臓器が特定できないときの入り口として有用で、一次検査（血液・腹部エコー・X線など）で原因を絞り込んでから専門科へ紹介する流れが推奨されています。

症状のタイプ	推奨診療科	根拠となる指針
食後に増す鈍痛	消化器内科	日本消化器病学会ガイドライン2024
血尿・排尿痛	腎臓内科／泌尿器科	日本腎臓学会診療指針2023
筋の圧痛主体	整形外科	日本整形外科学会腰痛診療ガイド2021
原因不明の慢性痛	総合診療科	厚労省かかりつけ医機能報告

受診タイミングについて、厚生労働省「国民のための救急受診ガイド」は、鈍痛が48時間以上続く・痛みが夜間に悪化する・痛みに伴い発熱・嘔吐があるのいずれかに該当する場合を、受診推奨ラインと定義しています（参照：厚生労働省）。また、糖尿病や妊娠中の女性、高齢者では症状が曖昧になりやすいため、24時間以内の受診が安全とされています。

消化器内科であれば超音波検査と血液検査を同日に行える施設が多く、胆のう・肝臓・腎臓の異常を一度にスクリーニングできます。

受診前の準備チェックリスト

痛みを感じた日時と経過メモ
痛みを悪化・軽減させる要因の記録
薬剤アレルギーや常用薬の情報
基礎疾患（高血圧・高脂血症など）の有無

これらを整理してから受診すると、診察時間を短縮でき診断精度も高まると報告されています。前述の通り、夜間や休日であっても救急外来は24時間対応していますので、激しい痛みや全身症状がある場合は躊躇せず119番または#7119（救急安心センター）に相談してください。

まとめると、鈍痛が続く際の診療科選択は症状の随伴所見に基づき、迷う場合は総合診療科で一次評価を受けることが合理的です。そのうえで適切な専門科へ紹介してもらうルートが時間と医療コストの双方を節約します。

背中の右側が痛いのは、どの臓器が原因なのか

背中の右側痛は胆のう・肝臓・腎臓・大腸・肺といった複数臓器が関与しうるため、部位と痛みの質、関連症状を組み合わせて推定することが重要です。胆石症は脂質摂取後に痛みが増し、右肩への放散痛と悪心を伴うことが多いです。日本胆道学会の疫学研究では、右肩放散痛を訴えた患者のうち87％で胆石が検出されました（参照：日本胆道学会）。

肝炎や脂肪肝は鈍い右背部痛として現れ、ALTが基準値上限の2倍以上であればエラストグラフィで肝線維化を確認する流れが推奨されています。腎臓由来の痛みは疝痛発作として強い波状痛を示し、尿検査で赤血球3個/HPF以上があれば尿路結石を疑います。大腸の右半結腸や虫垂炎では、初期にみぞおち痛や背部痛があり、12〜24時間後に右下腹部痛へ移行する「転移痛」が特徴です。肺炎・胸膜炎では吸気時痛と咳嗽が併発し、胸部CTで右下肺葉に浸潤影が確認されるケースが多いです。

想定臓器	痛みの質	補助症状	ファースト検査
胆のう	食後ズキズキ	悪心・右肩放散痛	腹部エコー
肝臓	鈍痛・重さ	倦怠感・黄疸	血液・エラストグラフィ
腎臓	疝痛波状痛	血尿・排尿痛	尿検査・CT
大腸	差し込む痛み	発熱・下痢	腹部CT
肺	吸気時刺痛	咳・発熱	胸部X線