こんにちは。
とまり木です。
このページでは鼠径部に痛みが現れた場合、原因別に症状と診療科を解説していきます。
※鼠径部の痛みと関連して考えられる股関節痛については「股関節痛に悩む方へ 何科を受診すべきか迷ったときの病院選びチェックリスト」をご覧ください。
鼠径部の痛みやしこりは、日常生活に不安をもたらす厄介な症状です。
この記事では、鼠径部の違和感や痛みの原因を詳しく解説し、それに応じた診療科の選び方をお伝えします。
早期発見と適切な受診が健康回復への近道ですので、ぜひ最後までお読みください。
鼠径部の痛みやしこりはなぜ起こるのか
鼠径部は下腹部と太ももの付け根に位置し、身体の重要な器官が集中している場所です。
この部分にはリンパ節、血管、腱、筋肉が集まっているため、さまざまな原因で痛みや腫れが生じることがあります。
鼠径部の痛みやしこりが発生する主な原因として以下が挙げられます。
●筋肉や腱の損傷
激しい運動や過度な負担が原因で発生します。
●リンパ節の腫れ
免疫反応や感染症が引き金となる場合があります。
●血管異常
動脈瘤や静脈瘤が血流の乱れを引き起こすことがあります。
●内臓疾患
鼠径ヘルニアなどが代表的です。
●皮下組織の異常
腫瘍や膿瘍が発生することがあります。
このように原因は多岐にわたり、それぞれに対応する診療科が異なるため、適切な受診先を選ぶことが非常に重要です。
鼠径部の痛みは何科?原因別に症状を解説
最も多い原因 鼠径ヘルニアへの対処法
鼠径部にしこりや膨らみが見られ、押すと凹むような場合は、最初に「鼠径ヘルニア」を疑います。
これは腹部の臓器や脂肪組織が腹壁の隙間から突出してしまう状態です。
特に次のような症状が見られる場合、鼠径ヘルニアの可能性が高いです。
●立ち上がったり重いものを持つと膨らみが大きくなる
●しこりが徐々に痛みを伴うようになる
●症状がある部分に触れると柔らかい感触がある
このような症状がある場合、外科または消化器外科を受診してください。
鼠径ヘルニアは放置すると腸閉塞や臓器の血流障害を引き起こし、緊急手術が必要になる場合があります。
手術には従来の鼠径部切開法と腹腔鏡手術があり、どちらも高い治癒率が期待できます。
リンパ節腫脹が疑われる場合の受診先
鼠径部のリンパ節が腫れている場合、これは体内で免疫反応が起きているサインです。
感染症、自己免疫疾患、さらには悪性リンパ腫などが考えられます。以下の症状に注目してください。
●痛みを伴う腫れが急激に現れた場合は感染症の可能性が高いです。
●腫れが長期間持続する場合は悪性疾患の可能性があります。
受診先としては、まず内科や泌尿器科を選択してください。女性の場合、症状によっては産婦人科の受診が適切です。
動脈瘤や静脈瘤が考えられる場合
血管に異常がある場合、動脈瘤や静脈瘤が原因で鼠径部に痛みや腫れを引き起こしている可能性があります。
これらの症状は主に循環器内科または血管外科で診断・治療が行われます。
動脈瘤や静脈瘤は、初期段階での治療が重要です。
症状を放置すると、血管が破裂して命に関わる合併症を引き起こすことがあります。
軟部腫瘍や膿瘍の可能性があるとき
皮膚の下にしこりや腫れを感じ、それが徐々に大きくなる場合は、軟部腫瘍や膿瘍の可能性があります。これらの状態は、以下のような特徴を持ちます。
●腫瘍
痛みを伴わない場合が多いですが、徐々に大きくなる傾向があります。
●膿瘍
赤く腫れ、強い痛みと熱感を伴います。
皮膚科や形成外科を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。腫瘍の場合は生検が行われ、膿瘍の場合は抗生物質や切開排膿が必要になることがあります。
女性に多いNuck管水腫への対応
Nuck管水腫は、女性の鼠径部に特有の疾患で、透明な液体が溜まることで腫れを引き起こします。
症状としては、鼠径部の腫れが目立つものの、痛みを伴わないことが一般的です。
外科または消化器外科で診断を受け、適切な治療を行いましょう。治療の多くは外科的手術が中心となります。
自宅で試せる鼠径部の痛みの応急処置と受診のタイミング
鼠径部の痛みが急に現れた場合、以下の方法で一時的に症状を和らげることができます。
●アイシング
急性の痛みには冷やすことが効果的です。炎症を抑える効果があります。
●安静
運動や激しい活動を控え、痛みを悪化させないようにしましょう。
●痛み止めの使用
市販の鎮痛剤を使用することで、軽度の痛みを和らげることができます。
ただし、痛みや腫れが長引く場合、または症状が悪化する場合は、速やかに医療機関を受診してください。
まとめ:鼠径部の痛み、しこりに困ったら何科に行く?原因別の診療科と治療方法のポイントを詳しく解説
鼠径部の症状を放置することは、思わぬ健康リスクを招く可能性があります。
まずは早期診断と治療が重要です。適切な診療科を選び、症状の根本原因を突き止めましょう。
早めの対応で健康を取り戻し、不安な毎日から解放される第一歩を踏み出してください。