こんにちは。
とまり木です。
このページでは、交通事故による背骨骨折と、それに伴う後遺症や慰謝料について解説します。
背骨の骨折は完治しても、痛みや神経障害などの後遺症が残ることがあり、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
こうした症状が認定されれば、等級に応じた慰謝料や逸失利益の補償を受け取ることができます。
症状が軽くても「後で悪化するかもしれない」と感じたら、早めに適切な対応を取ることが大切です。
背骨骨折で残る後遺症とは?痛み・神経障害・可動域制限に注意
背骨の骨折後には、痛みや神経障害、関節の可動域制限といった後遺症が残ることがあります。
これらは日常生活や仕事への支障となることが多く、長期的なケアや補償の検討が必要です。
ここでは代表的な後遺症とその影響を解説します。
背骨骨折で多い後遺症の種類と特徴
背骨骨折で多くみられる後遺症には、慢性的な腰痛や背中の張り、神経障害によるしびれや感覚異常などがあります。
特に圧迫骨折では、骨がつぶれたまま治癒することで脊柱の変形が起こり、それが痛みの慢性化につながるケースもあります。
また、背骨が変形することで体のバランスが崩れ、筋力低下や内臓機能への影響が出ることもあります。
圧迫骨折後の神経障害や慢性的な痛みのリスク
圧迫骨折に伴って神経が圧迫されると、下肢のしびれや知覚異常、歩行障害といった神経障害が残ることがあります。
特に高齢者や事故の衝撃が大きかった場合は、脊髄にダメージが及び、慢性的な神経痛に悩まされるケースもあります。
これにより、座る・立つといった基本動作にも支障が出るため、後遺障害として認定される可能性が高くなります。
可動域制限や姿勢変化が生活に与える影響
背骨骨折により脊柱の動きが制限されると、前かがみになりやすくなったり、背筋がまっすぐ伸びなくなるなど、姿勢が悪化することがあります。
これが長期化すると、背中や腰の筋肉に負担がかかり続け、痛みが強まる悪循環に陥ることもあります。
また、洗濯や掃除、買い物などの日常動作にも不便が生じ、介助やサポートが必要になるケースも少なくありません。
圧迫骨折の後遺症はなぜ残る?発生メカニズムと注意点
背骨の圧迫骨折は、骨そのものが潰れるように変形するため、見た目の回復に反して内部で慢性的なダメージが残りやすい特徴があります。
特に事故由来の骨折では神経への影響も大きく、症状の長期化や重症化につながることがあります。
交通事故による椎体損傷と圧壊変形の仕組み
交通事故による衝撃で背骨に強い圧力がかかると、椎体と呼ばれる骨が押しつぶされるように変形することがあります。
これを「圧壊変形」といい、骨が潰れたまま癒合することで脊柱全体の構造が不安定になり、慢性疼痛や神経症状の原因になります。
レントゲンやMRIで確認できる変形は後遺障害認定にも直結するため、診断時の画像記録は非常に重要です。
高齢者に後遺症が残りやすい理由とは
高齢者は骨密度が低下しているため、軽微な衝撃でも圧迫骨折を起こしやすく、治癒にも時間がかかります。
さらに、加齢による筋力低下や神経伝達の遅れも影響し、骨折後に元の姿勢や機能に戻ることが難しくなりがちです。
これにより、痛みが慢性化しやすく、歩行困難や寝たきりにつながることも少なくありません。
骨折が完治しても痛みが続くケース
見た目には骨がくっついている「骨癒合」が確認されても、痛みが引かないケースは多くあります。
これは骨の変形や神経への微小な圧迫が残っているためで、MRIなどで異常が検知されない場合もあります。
こうしたケースでは「症状固定」とされることがあり、医師による診断と法的対応が重要になります。
治療の打ち切り時期と後遺障害の申請判断も慎重に行う必要があります。
後遺障害等級の認定基準|圧迫骨折で認められる可能性
圧迫骨折による後遺症が残った場合、等級認定を受けることで慰謝料や逸失利益の補償が可能になります。
ただし、等級が認定されるためには明確な症状と診断資料が必要です。
ここでは認定される等級や判断のポイントについて解説します。
背骨骨折で認定される等級の種類(6級〜14級)
圧迫骨折において後遺障害として認定される主な等級は6級、8級、11級、12級、14級です。
たとえば、脊柱に著しい変形が認められる場合は6級、脊柱の可動域が2分の1以下に制限される場合は8級、軽度の可動域制限であれば12級となります。
症状の程度や日常生活への影響の有無が等級の判断基準となります。
脊柱変形・可動域制限による等級の分かれ方
後遺障害等級は、骨折後の「脊柱の変形」や「可動域制限」の程度によって細かく分類されます。
たとえば、レントゲンやMRIで明確な椎体のつぶれが確認されると脊柱変形と見なされ、画像所見と自覚症状の一致が重要となります。
可動域制限の場合、角度測定による医師の診断が不可欠で、数値が基準を超えなければ認定はされません。
認定されない場合のパターンと対処法
医師の診断書や画像資料が不十分だったり、日常生活に支障があるという証拠が揃っていない場合、後遺障害として認定されないことがあります。
また、痛みや違和感だけでは「他覚的所見がない」と判断されることもあります。
こうした場合は、等級申請を弁護士に相談することや、症状固定のタイミングを見直すことが重要です。
慰謝料と逸失利益の相場|自賠責と弁護士基準の違い
後遺障害が認定された場合、被害者は慰謝料や逸失利益といった損害賠償を受け取ることができます。
ただし、金額は等級や基準によって大きく異なります。
ここでは慰謝料の相場と、自賠責基準と弁護士基準の違いを具体的に紹介します。
後遺障害等級別の慰謝料相場まとめ
後遺障害が認定された場合の慰謝料は、等級によって以下のように異なります。
| 等級 | 自賠責基準(万円) | 弁護士基準(万円) |
|---|---|---|
| 14級 | 約32 | 約110 |
| 12級 | 約94 | 約290 |
| 11級 | 約136 | 約420 |
| 8級 | 約331 | 約830 |
| 6級 | 約512 | 約1,180 |
弁護士基準の方が自賠責基準よりも大幅に高額であることがわかります。
弁護士を介した請求は金額面での大きな差につながる可能性があります。
弁護士基準と自賠責基準で金額がどう変わるか
自賠責基準は最低限の補償を目的としており、慰謝料や逸失利益の金額が低く抑えられています。
一方、弁護士基準は裁判所の過去の判例に基づいており、実際の被害実態に即した補償が期待できます。
そのため、同じ後遺障害でも申請方法によって受け取れる金額に大きな差が生じます。
特に逸失利益については、職業や年齢による収入の減少を考慮した上で算定されるため、詳細な資料が必要です。
実際に請求できる金額はどう決まる?
慰謝料や逸失利益の金額は、等級認定の有無、症状の程度、年齢、職業、収入、治療期間などの複数の要素を総合的に考慮して算出されます。
また、過去の判例や裁判例も参考にされるため、専門的な知識がないと過小評価されてしまうリスクもあります。
確実に適正な金額を得るためには、交通事故に強い弁護士への相談が非常に重要です。
後遺症が残った場合の注意点と相談先
背骨骨折によって後遺症が残ってしまった場合、正しい対応を取ることで今後の生活や補償に大きな差が出ます。
症状が軽いうちに見過ごさず、適切な診断や専門家への相談を行うことで、認定の可能性や受け取れる補償額を高めることができます。
後遺症が残ったらやるべき3つのこと
後遺症が疑われる場合には、以下のステップを早めに踏むことが重要です。
-
医師に症状を詳細に伝え、後遺症の診断書を作成してもらう
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症状固定のタイミングについて医師とよく相談する
-
後遺障害等級認定の申請準備を進める(資料収集・画像診断)
これらの対応を怠ると、本来認定されるべき等級が見逃されたり、慰謝料が大幅に減額されてしまうことがあります。
弁護士に相談するメリットとは?
交通事故における後遺障害の認定や慰謝料請求は専門的な知識が必要で、被害者自身で対応するには限界があります。
弁護士に相談することで、必要な書類の整備や医師への診断依頼、等級申請の代行などをスムーズに進めることができます。
また、相手方保険会社との交渉においても、法律知識に基づいた適正な主張が可能になるため、賠償額の増額が期待できます。
医師選びと診断書の取り方で等級が変わる?
後遺障害の等級認定では、医師の診断内容や診断書の書き方が大きく影響します。
交通事故に詳しい医師を選ぶことで、後遺症に関する医学的な所見や検査結果を適切に反映させることができます。
また、レントゲン・MRIなどの画像診断の添付も重要であり、症状と所見の一貫性がなければ等級が認められないケースもあります。
背骨骨折の後遺症についてのQ&A
Q1: 背骨を骨折した後、どのような後遺症が残ることがある?
A: 背骨骨折後には、慢性的な腰痛や背部の痛み、神経障害によるしびれ、可動域制限、姿勢の変化などが後遺症として残ることがあります。特に高齢者は症状が長引く傾向があります。
Q2: 圧迫骨折はどの等級で後遺障害が認定される?
A: 脊柱の変形が著しい場合は6級、可動域が2分の1以下に制限されると8級、軽度の可動域制限は12級などが認定されることがあります。画像所見と自覚症状の一致が重要です。
Q3: 後遺障害が認定されなかった場合はどうすれば良い?
A: 医師の診断書や画像資料の見直しを行い、必要に応じて再申請することが可能です。交通事故に強い弁護士に相談することで、認定の可能性を高めることができます。
Q4: 慰謝料の相場はどれくらい?
A: 等級や基準により異なりますが、たとえば14級で約32万〜110万円、12級で約94万〜290万円といった幅があります。弁護士基準の方が高額となる傾向があります。
Q5: 骨折後、痛みが続いていても認定されないことはある?
A: はい。自覚症状のみで他覚的所見が認められない場合、後遺障害と認定されないことがあります。画像検査や医師の所見と一致していることが重要です。
Q6: 高齢者が圧迫骨折で後遺症を抱える場合、注意すべき点は?
A: 高齢者は骨の回復が遅く、寝たきりや姿勢の悪化につながることもあるため、リハビリや生活支援が欠かせません。痛みが慢性化しやすいため、早期の対応が重要です。
まとめ:交通事故で背骨を骨折!後遺症の等級認定と慰謝料の相場とは
このページでは交通事故による背骨骨折と後遺症について解説してきました。
後遺障害が認定されれば、慰謝料や逸失利益といった補償を正当に受け取ることができます。
症状を軽視せず、早めに医師と弁護士に相談することが、将来的な損失を防ぐための第一歩です。
以上、参考になると嬉しいです。

